年末が近づくと、「乗り換えるなら年内に売ったほうがいいのか、年が明けてからでもいいのか」と迷う方がいます。ネットで調べると「年末がおすすめ」「1月が狙い目」と書いてあることがばらばらで、余計に分からなくなるものです。冬はスタッドレスを履いている時期でもあり、タイヤをどうすればいいのかも気になるところです。
私はガソリンスタンドの店長として、車の下取りと買取の両方を10年以上扱ってきました。お客様に売りどきを聞かれたときに、実際にお伝えしていることがあります。
ここでは、年末か年明けかよりも大事な、車を売るタイミングの3つの目安と、売る前にやっておきたいことをまとめます。
- 年末と年明け、どっちが高い?
- 年が明けると査定は下がる?
- 自動車税はいつかかる?
- スタッドレスを履いたまま売れる?

年末に売ったほうが高いって聞いたことあるで。ほんまなん?

年末かどうかより、「2〜3月より前」「車検が残っているうち」「4月1日より前」の3つを見てほしいんだ。
車を売るタイミングの答え

結論から言うと、年末に売るか年明けに売るかで、大きな差が出るとは限りません。私の店では、年末に売る相談が特に増える感じもありません。大事なのは、車がよく売れる2〜3月より前、車検が残っているうち、自動車税がかかる4月1日より前、という3つの目安です。この3つが重なる時期に動けば、損をしにくくなります。それぞれの理由を先に一覧で紹介します。
2〜3月より前に
2〜3月は、車が多く売れる時期です。買取店はこの時期に向けて、売る車を集め始めます。
買う側が車を欲しがっている時期の前に動くと、査定で有利になる可能性があります。くわしくは次の章で説明します。
車検が残っているうちに
車検が残っている車のほうが売りやすい、と私はお客様に伝えています。車検が切れる直前より、余裕があるうちに動くほうが選べる店も増えます。
車検の満了日が近いなら、車検を受けるか売るかを先に決めておきます。
4月1日より前に
自動車税は、4月1日に車検証に載っている持ち主に1年分かかります。3月のうちに名義変更まで終われば、新しい年度の税金を払わずに済みます。
「3月に売ったつもり」でも、名義変更が4月にずれると税金の通知が届くことがあります。くわしくは4つ目の章で説明します。
2〜3月は車が売れる時期

一年の中で、車がよく売れるのは年度末の2〜3月です。新生活に向けて車を買う人が増え、店も決算に向けて販売に力を入れるためです。買取店にとっては、売る車を仕入れたい時期なので、その少し前に売ると高く売れる可能性があります。数字でも、3月の販売が多いことは確かめられます。年末そのものより、この流れを意識しておくのがコツです。
3月は新車が多く売れる
全国軽自動車協会連合会の発表では、2025年3月の軽自動車の新車販売は169,827台でした。同じ年度(2024年4月〜2025年3月)の合計は1,627,411台なので、1か月あたりの平均(約13万6,000台)より2割以上多い数字です(全軽自協)。
3月は、車がいちばん動く時期の1つです。新しい車に乗り換える人が増えれば、手放される車も増えます。
店が在庫を集める時期
2〜3月は車がよく売れる時期なので、資本力のある店は、その前から売る車を集め始めます。仕入れたい時期に売れば、店も買い取りに前向きになります。
年明けから2月ごろまでに査定を受けておくと、店が車を欲しがっている時期に重なりやすくなります。
年末より需要期の前
「年末は高く売れる」という話もありますが、私の店では、年末に売る相談が特に増える感じはありません。年末そのものより、2〜3月に向けて車が動き出す流れのほうが大事だと考えています。
乗り換えを考えているなら、年末年始のうちに査定を受けて、比べておくのがおすすめです。

年末かどうかより、3月の前に動くんが大事なんやな。

そう。店が車を欲しがる時期の前に動くのがポイントだよ。
年明けに売る車の年式

年が明けると「年式が1年古くなるから、年内に売ったほうがいい」と気にする方もいます。私の店でこれを気にする方は、ごくまれです。ただ、年が明ければ、同じ車でも1年古い車として見られるので、査定は下がると私は考えています。とはいえ、その差だけで慌てて売る必要はありません。年式の考え方と、迷ったときの動き方を紹介します。
気にする人はまれ
年式のことまで気にして売る時期を決めるお客様は、私の店ではあまり多くありません。それよりも、乗り換えの予定や車検の時期で決める方がほとんどです。
年式だけで売る時期を決めるより、車検や乗り換えの予定と合わせて考えるのが自然です。
1年古い車として見られる
年が変わると、同じ車でも、査定では1年分古い車として見られます。年数がたつほど、車の値段は下がっていくのがふつうです。
売ると決めているなら、先延ばしにしないほうが下がる分を小さくできます。
迷っているなら査定だけ
売るかどうか迷っているなら、年内に査定だけ受けておく方法もあります。いまの値段が分かれば、年明けまで待つかどうかも決めやすくなります。
査定を受けたからといって、必ず売らないといけないわけではありません。古い車の値段のつき方は、13年目の車は乗り続けていい?でも紹介しています。
車を売るなら4月1日前

売る時期を考えるときに、見落としやすいのが自動車税です。自動車税は、4月1日の時点で車検証に載っている持ち主に、その年度の1年分がかかります。3月中に売るなら、名義変更まで3月のうちに終わらせることが大事です。私の店でも、売るお客様にはこの話をしています。軽自動車の場合は、扱う役所が違う点にも注意が必要です。
4月1日の持ち主に1年分
東京都主税局は、自動車税は4月1日現在、車検証に所有者として登録されている人に課税され、年度の途中で持ち主が変わっても、4月1日の所有者にその年度分を全額課税するとしています(東京都主税局)。
4月2日に売っても、その年度の自動車税は前の持ち主が払うことになります。売る予定があるなら、4月1日より前に終わらせる計画を立てます。
名義変更まで終わらせる
東京都主税局は、売ったり廃車にしたりしたときに登録などの手続きをしないと、前の所有者に引き続き課税されることがあると注意しています。廃車(抹消登録)にした場合は、4月から抹消した月までの月割になります。
3月に売るなら、名義変更がいつ終わるかを買取店に確かめておきます。3月は手続きが混みやすいので、余裕を持って動くと安心です。
軽自動車は市区町村
軽自動車の税金は、都道府県ではなく市区町村がかけています。東京都主税局も、軽自動車税は区市役所や町村役場に問い合わせるよう案内しています。
軽自動車を売るときは、住んでいる市区町村の案内で、税金の扱いを確かめてください。
- 4月1日の持ち主に1年分
- 3月中に名義変更まで
- 軽自動車は市区町村に確認
車検が残っているうちに

車を売るなら、車検が残っているうちのほうが売りやすい、と私はお客様にお伝えしています。車検が切れてしまうと、売るための手間が増えるからです。車検の満了日が近いなら、車検を受ける前に、売るか乗り続けるかを決めておくのが損をしないコツです。車検を通してから売るかどうかで迷う方も多いので、考え方を紹介します。見積もりの取り方も合わせて確認しておきます。
残っていると売りやすい
車検が残っている車は、次に乗る人がすぐに乗り出せます。私の店でも、車検が残っているタイミングのほうが売りやすいとお伝えしています。
車検が切れる直前に慌てて売るより、少し余裕があるうちに動くほうが選べる店も増えます。
通してから売るかの判断
車検を通してから売るか、通す前に売るかで迷う方もいます。車検の費用をかけても、その分が査定で上乗せされるとは限りません。
売ると決めているなら、車検の前に売るほうが余計な出費をおさえられます。車検の見積もりで迷ったときの考え方は、車検20万は買い替えどき?でまとめています。
見積もりと同じ時期に査定
車検の見積もりを取るのと同じ時期に、車の査定も受けてみてください。車検の費用と、いま売った場合の金額を並べると、どちらが得かが分かります。
数字を並べてから決めれば、あとで後悔しにくくなります。
冬に売るときのタイヤ

年末から冬にかけて売る場合、スタッドレスタイヤを履いたままの車もあります。タイヤとホイールの組み合わせによって、査定のときの見え方が変わることがあります。できれば純正のホイールと、夏タイヤがそろっていると安心です。私の店でも、冬に買い取るときは、純正ホイールや夏タイヤを持っていないかをお客様に尋ねています。
純正ホイールがあるとよい
査定のときは、できれば純正のホイールが付いているほうがいいと考えています。純正ホイールにスタッドレスが付いているなら、私はあまり気にしません。
社外のホイールに替えている場合は、純正のホイールが手元に残っているかを確かめておきます。
夏タイヤも一緒に
冬にスタッドレスを履いている車を買い取るときは、「夏タイヤは持っていないですか?」とお客様に尋ねることがあります。夏タイヤが一緒にあれば、次に乗る人もすぐ使えます。
夏タイヤや純正ホイールを持っているなら、査定のときに一緒にあることを伝えます。
持っていなくても相談
夏タイヤや純正ホイールがなくても、売れないわけではありません。どう扱うかは店によって違います。
タイヤのことは隠さずに伝えて、査定の中でどう見るかを店に聞くのが確実です。
売る前にやっておくこと

売る時期が決まったら、査定の前に準備をしておくと話がスムーズに進みます。特別なことをする必要はありませんが、ちょっとした手間で印象が変わります。洗車と室内の掃除、書類の確認、純正部品の用意の3つをしておけば十分です。それぞれ、私が店でお客様にお伝えしていることを紹介します。準備ができたら、まずは査定を受けて比べてみてください。
洗車と室内の掃除
査定の前には、洗車と室内の掃除をしておくのがおすすめです。きれいにしておくと「この車は大事にされてきたな」という印象を与えられます。
高い洗車コースでなくても、ふだんの洗車と車内の片づけで十分です。
書類をそろえておく
車を売るときは、書類が必要です。国土交通省によると、普通車の名義変更では、売る側は譲渡証明書(実印を押す)や、発行から3か月以内の印鑑証明書などを用意します(国土交通省)。
軽自動車は、普通車と必要な書類が違います(軽自動車検査協会)。何を用意すればいいかは、売る店に先に聞いておくと安心です。
純正部品の用意
社外品のパーツに替えている場合は、純正部品に戻すか、純正部品をそろえておくのがおすすめです。外した純正部品が残っていれば、一緒に渡せるようにしておきます。
純正部品がそろっていると、次に乗る人にとっても安心な車になります。
準備ができたら、まずは査定を受けて比べてみてください。車買取のソコカラは、古い車や走行距離の多い車、故障車も買取の対象で、出張査定と引き取りは無料です(公式サイトより)。一括査定の向き不向きは、車の一括査定はやめたほうがいい?で書いています。
よくある質問
Q1. 年末と年明けで車を売るならどちらが高いですか?
年末か年明けかで大きな差が出るとは限りません。それより、車がよく売れる2〜3月より前に動くことと、自動車税がかかる4月1日より前に名義変更を終えることが大事です。
Q2. 3月中に売れば自動車税はかかりませんか?
4月1日の時点で名義変更が終わっていれば、新しい年度の自動車税は前の持ち主にはかかりません。3月末は手続きが混みやすいので、余裕を持って売る日を決めてください。
Q3. 軽自動車も4月1日が基準ですか?
軽自動車の税金は、市区町村がかけています。扱いは住んでいる市区町村の案内で確かめてください。
Q4. 車検が切れそうな車は通してから売るべきですか?
売ると決めているなら、車検の前に売るほうが余計な出費をおさえられます。車検の見積もりと査定の金額を並べてから決めるのがおすすめです。
Q5. スタッドレスを履いたままでも売れますか?
売れます。純正のホイールや夏タイヤを持っているなら、査定のときに伝えてください。持っていない場合も、どう扱うかを店に相談すれば大丈夫です。
まとめ
車を売るなら、年末か年明けかにこだわるより、3つの目安を意識してください。車がよく売れる2〜3月より前、車検が残っているうち、自動車税がかかる4月1日より前に名義変更まで終えること。そのうえで、洗車と掃除、書類、純正部品を用意しておけば、損をしにくくなります。
- 2〜3月より前に動く
- 車検が残っているうちに
- 4月1日より前に名義変更
- 純正ホイールと夏タイヤ
- 洗車・書類・純正部品
売るか迷っているなら、まずは査定を受けて、いまの値段を知るところから始めてください。

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