「セルフのガソリンスタンド、正直ちょっと不安…」という声を、現場で本当によく聞きます。普段は家族に任せている、いつもフルサービスを使っている、免許を取ったばかり。理由はさまざまですが、間違えたらどうしよう、後ろに並ばれたら焦るという気持ちは同じです。私は毎日ガソリンスタンドの店長として給油機の前に立っていますが、やることは決まった順番の繰り返しで、覚えてしまえば1分もかかりません。この記事では初めての方が迷わないよう、手順どおりに、相棒のノア(犬)・テト(猫)と一緒にお話しします。

セルフって、何をどの順番でやるんか分からへんねん。機械にいきなり話しかけられるし。

大丈夫、順番は毎回同じだよ。停める→エンジンを切る→静電気を抜く→支払い方法→油種と量→給油→レシート。この7つだけ。しかも困ったら、必ずスタッフが見ているから呼べばいい。

まず全体像|セルフ給油は7ステップだけ
細かい説明の前に、全体の流れをつかんでおきましょう。どこのスタンドでも、この順番はほとんど変わりません。
| 順番 | やること | ここだけ注意 |
|---|---|---|
| ① | 給油口のある側に寄せて停める | 給油口は車によって左右が違う。停める前に確認 |
| ② | エンジンを切る | これは義務。かけたままは絶対NG |
| ③ | 静電気除去パッドに触れる | 夏でも必要。素手でしっかり触る |
| ④ | 支払い方法を選ぶ | セルフは基本「先払い」 |
| ⑤ | 油種と数量を選ぶ | 色で選ぶと間違えにくい |
| ⑥ | ノズルを入れて給油する | 自動で止まったら終わり |
| ⑦ | ノズルを戻してレシートを取る | 給油口のフタ閉め忘れに注意 |
この①「給油口のある側に寄せて停める」で、いきなりつまずく方がとても多いです。次から順番に見ていきます。
給油のやり方を手順どおりに解説
初めての車、レンタカー、家族の車。給油口が右にあるか左にあるかは、車種によって違います。迷ったら、運転席のメーター内にある給油機のマークを見てください。マークの横に小さな三角形(▶ または ◀)があり、その向いている側が給油口のある側です。三角がない車種でも、給油機マークのノズルが伸びている向きが給油口側になっていることがほとんどです。
慌てて出し直さなくても大丈夫です。ノズルのホースは車1台分くらいの長さがあるので、多くの場合そのまま車の後ろを回して届きます。ただしホースを無理に引っ張ると給油機ごと傷めることがあるので、明らかに届かないときはスタッフに声をかけてください。安全に誘導します。
給油中のエンジン停止は、法律(消防法)で決まっています。マナーではなく義務です。ハイブリッド車やアイドリングストップ中の車は、エンジン音がしないので「もう切れている」と勘違いしやすいのですが、電源が入っていれば切れていません。パワースイッチを押してOFFにしてから降りてください。
給油機のどこかに、必ず「静電気除去シート」と書かれた金属のパネルがあります。ここに素手でしっかり触れてから作業を始めてください。ガソリンは常温でも気化していて、静電気の火花で引火する危険があります。「冬だけでいい」と思われがちですが、夏でも必要です。手袋やハンカチ越しでは意味がないので、必ず素手で。
セルフの給油機は先に支払い方法を選ぶ「先払い」が基本です。画面に「現金」「クレジットカード」「電子マネー」などが並ぶので、使うものを選びます。現金の場合は先に紙幣を入れ、給油後にお釣りとレシートが出ます。カードは先に差し込む(またはタッチする)だけで、実際に給油した分だけが後で請求される仕組みです。

現金で1万円入れて、3,000円分しか入らんかったらどうなるん?損せえへん?

ちゃんと差額は返ってくるから安心して。給油が終わってレシートを取ると、そのままお釣りが出てくるタイプと、レシートを持って精算機に行くタイプがある。どっちかは画面が案内してくれるよ。
ここがいちばん間違えてはいけないところです。油種はどこのスタンドでもノズルとボタンが色分けされています。

| 色 | 油種 | どんな車 |
|---|---|---|
| 赤 | レギュラー | 軽自動車・コンパクトカー・ミニバンなど、日本の乗用車の大多数 |
| 黄 | ハイオク | 輸入車やスポーツモデルなど、指定されている車のみ |
| 緑 | 軽油(ディーゼル) | ディーゼル車。ハイエースや一部SUVなど |
現場で年に何度も起きるのがこの勘違いです。軽自動車に入れるのは緑の軽油ではなく、赤のレギュラーです。緑はディーゼル車専用。自分の車の油種が分からないときは、給油口のフタの裏に「無鉛レギュラー」「軽油」などと書いてあるので、開けたときに必ず確認してください。もし入れ間違えたと気づいたら、エンジンをかけずにスタッフを呼ぶのが最善です。

数量は「満タン」のほか、「10L」などの数量指定、「3,000円」などの金額指定が選べます。迷ったら満タンで問題ありません。ちょうどの金額で入れたいときは金額指定が便利です。
給油口のフタを開け、内側のキャップを反時計回りに回して外します(外したキャップはフタの内側に引っかけられる車が多いです)。ノズルを奥までしっかり差し込み、レバーを握ります。あとは自動で止まるまで待つだけ。満タンになるとセンサーが働いて「カチッ」と自動で止まります。これが終わりの合図です。
もう少し入りそうだからと、止まった後に何度もレバーを握る方がいます。これはやめてください。あふれて塗装を傷めるだけでなく、燃料の蒸発ガスを処理する装置(キャニスター)を壊す原因になります。修理は数万円コースです。自動で止まったところが、その車の満タンです。
ノズルを抜くときは、先端を少し上に向けて数秒待ってから抜くと、残った燃料が垂れません。ノズルを元の位置に戻し、キャップを「カチカチ」と音がするまで締めて、フタを閉じます。最後にレシートを取れば完了です。キャップの締め忘れは、警告灯が点く原因のひとつなので、音がするまで回してください。
やりがちなNG5つ
店長として毎日見ている中で、「これは危ない」と思う場面をまとめます。知らずにやってしまっている方が本当に多いです。
① エンジンをかけたまま給油する/消防法違反です。暑いから、寒いからとエアコンを付けたままにしない。
② 給油中に運転席に戻る/シートで体が擦れて静電気がたまります。戻ったらもう一度パッドに触れてください。
③ タバコ・火気/論外ですが、電子タバコも同じ扱いです。
④ 携行缶にセルフで給油する/セルフの給油機から携行缶へ入れることは法律で禁止されています。必要な場合はスタッフに申し出てください(本人確認と記録が必要です)。
⑤ こぼれたのに黙って帰る/気化して危険なうえ、路面も傷みます。少量でも必ず声をかけてください。怒られませんので安心してください。
支払いはどれがいちばんお得?
セルフは支払い方法の選択肢が多く、ここで年間の給油代がじわじわ変わってきます。値段を毎日決めている立場から、正直な比較をお伝えします。
| 支払い方法 | お得さ | ひとこと |
|---|---|---|
| 現金 | △ | 還元はゼロ。お釣りの受け取りに手間もかかる |
| クレジットカード | ◎ | 還元率がそのまま効く。タッチ決済対応なら差し込み不要で速い |
| スマホ決済(タッチ) | ◎ | 財布を出さずに済む。給油機が対応しているかは要確認 |
| スタンドの会員カード・アプリ | ○ | 単価が数円引きになることも。よく行く店なら効果的 |
タッチ決済が給油機で使えるかどうか、対応マークの見分け方や使えないときの対処は、こちらで詳しくまとめています。

そもそもガソリン代そのものを下げたい方は、給油のタイミングや店の選び方で年間1万円以上変わります。こちらもあわせてどうぞ。

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セルフで困ったときのQ&A
Q1. 給油口のフタが開きません
多くの車は、運転席の足元やドア横にあるレバーを引くタイプか、給油口のフタを軽く押し込むと開くタイプです。輸入車は「ドアロックを解除しないと開かない」仕様も多く、これが原因のことがよくあります。車のドアを一度アンロックしてから、もう一度試してみてください。それでも開かないときは無理をせず、スタッフを呼んでください。
Q2. すぐに「カチッ」と止まってしまいます
ノズルの差し込みが浅いか、角度が急すぎるのが原因のほとんどです。奥までまっすぐ差し込み直して、レバーはゆっくり握ってみてください。それでも数百円ごとに止まるときは、その給油機のセンサーが敏感になっていることもあるので、遠慮なくスタッフに言ってください。
Q3. セルフとフルサービス、値段はどれくらい違う?
店や地域によりますが、1リットルあたり数円から10円ほどセルフが安いのが一般的です。50リットル入れれば数百円の差になります。ただしフルサービスは、窓拭きやタイヤの空気圧、オイル量の確認といった点検をしてもらえるのが価値です。普段はセルフ、長距離の前だけフルサービスという使い分けが、いちばん賢いと思います。
Q4. 給油の途中で車から離れてもいい?
離れないでください。給油中はその場を離れないのが原則です。まれにノズルが跳ねたり、あふれたりすることがあり、そのときすぐ手を離せる位置にいる必要があります。トイレや買い物は、給油を終えてから車を移動させたうえで済ませましょう。
- 給油口が右か左か、メーターの三角マークで確認したか
- エンジン(電源)を完全に切ったか
- 静電気除去パッドに素手で触れたか
- 油種は色で確認したか(軽自動車は緑ではなく赤)
- ノズルを奥までしっかり差し込んだか
- 自動で止まった後、継ぎ足していないか
- キャップを音がするまで締めて、フタを閉じたか
- レシート(と現金の場合はお釣り)を取り忘れていないか
まとめ|順番さえ覚えれば、セルフはこわくない
セルフ給油でやることは、停める→エンジンを切る→静電気を抜く→支払い方法→油種と量→給油→レシートの7つだけです。最初の数回さえ乗り切れば、あとは体が覚えます。
そして、これだけは覚えて帰ってください。迷ったらスタッフを呼んでいいということです。セルフのスタンドには必ず有資格者が常駐していて、モニターで全部見ています。「分からないので教えてください」と言われて嫌がる店員は、まずいません。むしろ無理をして事故になるほうが、私たちにとっては何倍も困ります。遠慮なく声をかけてください。

なんや、聞いてええんか。ほな今度、ボクが給油してみるわ!
給油のついでにできる点検や、スタンドで頼めることについては、こちらの記事も参考にしてください。


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