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ヘッドライトはいつ点ける?薄暮の死亡事故は6月の3倍|早めの点灯を店長が勧める理由

保険・カーライフ
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夕方の給油に来られる車を眺めていると、季節によって景色が変わります。夏の18時はまだ明るくて、ライトを点けていない車がずいぶん多い。ところが同じ18時でも、秋が深まるとあたりは真っ暗です。国家資格整備士・保険募集人で現役のガソリンスタンド店長として、ライトをいつ点けるのが正解かを、データと店頭で見ている景色の両方から説明します。相棒のノア(犬)・テト(猫)も一緒です。

ノア
ノア

まだ見えてるうちは、点けんでもええんちゃう?

テンチョー
テンチョー

そこが落とし穴でね。ライトは自分が見るためだけの道具じゃないんだ。向こうからこっちを見つけてもらうためのもの。自分に見えていても、相手に見えていないことがある。

先に結論:日没の1時間前がひとつの目安

薄暮(日没前後1時間)の死亡事故は11月が最多。もっとも少ない6月の3倍以上です。

ぶつかる相手は歩行者がいちばん多く、その約9割が横断中

そしてオートライトでも、多くの車は日没直前まで点きません。任せきりにしない。

迷ったら早いほうに倒す。点けて損をすることは、ひとつもありません。

同じ18時でも季節で暗さが違う。東京の日の入りは8月1日が18時46分、11月1日は16時46分で、ちょうど2時間ぶん早くなる

同じ「18時」が、2時間ぶん暗くなる

まず、季節でどれだけ変わるのかを数字で見ます。国立天文台が公表している東京の日の入り時刻です。

日付日の入り(東京)18時はどんな状態か
8月1日18:46日没まであと46分。まだ明るい
8月31日18:10そろそろ暗くなり始める
11月1日16:46日没から1時間14分後。真っ暗
11月30日16:28完全に夜

8月1日と11月1日を比べると、日の入りはちょうど2時間早まります。同じ時計の針を見ていても、外の明るさはまるで別物です。

💡 8月の夕方、店から見えている景色

夏の18時ごろに給油に来る車を見ていると、3台に1台から、多いときは2台に1台がまだライトを点けていません。この時期はそれで走れてしまいます。困るのは、その感覚のまま秋に入ることです。「18時はまだ明るい」という体の記憶だけが残る。11月の18時は、日が沈んで1時間以上たっています。

薄暮の死亡事故は11月が最多、6月の3倍以上

警察庁は、日没時刻の前後1時間(あわせて2時間)を薄暮時間帯と呼んでいます。この時間帯の死亡事故には、はっきりした特徴があります。

特徴内容
多い時間17時台〜19時台に集中
多い月10月に300件を超え、11月が最多。最少の6月の3倍以上
多い相手歩行者との衝突がもっとも多い
歩行者の状況約9割が横断中。うち約8割が横断歩道以外

ここで11月の日没時刻を思い出してください。16時46分です。前後1時間が薄暮なら、15時46分から17時46分がまるごと危ない時間帯ということになります。ちょうど、学校帰りと買い物と退勤が重なる時間です。

テト
テト

横断歩道やないとこを渡る人が8割って、けっこう多いな。

テンチョー
テンチョー

そう。思わぬところから出てくるということだね。しかも夕暮れは、人の姿が背景に溶けていちばん見えにくい。だからライトなんだ。

オートライトでも、日没直前まで点かない

「最近の車は勝手に点くから大丈夫」と思っている方は多いはずです。ここは注意が必要なところです。

オートライトは2020年4月以降に発売された新型車で義務化されました(継続生産車は2021年10月以降)。周りの暗さをセンサーが見て自動で点灯し、走行中はオフにできません。装備としては良いものです。

⚠️ JAFのテストでは「日没直前まで点かない」車が多数

JAFがオートライト装着車を調べたところ、点灯するタイミングはメーカーによってかなり差があり、多くの車は日没の直前まで点きませんでした。一部の国産車や欧州車は薄暮の早い段階から点き始めます。つまり「点かないから、まだ点けなくていい」ではありません。センサーの基準と、事故が起きやすい時間帯は一致していないと考えたほうが安全です。

自分の車がどのタイプかは、夕方に一度確かめてみると分かります。周りの車が点け始めても自分の車が点かないなら、手で点ける習慣を足しておく。それだけで事故の起きやすい2時間をカバーできます。

ライトは「見るため」より「見られるため」

点灯をためらう理由は、だいたい「まだ見えるから」です。その感覚は正しい。問題は、見えている側ではなく見られる側にあります。

POINT 1
歩行者から見つけてもらえる

薄暮は、人の目が明るさの変化についていけない時間です。無灯火の車は背景に溶けます。横断しようとしている人に「車が来ている」と伝える手段が、ライトです。

POINT 2
対向車から距離を測ってもらえる

右折しようとしている対向車は、こちらの速度と距離を目で測っています。灯火があるほうが、この判断は正確になります。右直事故が夕方に多いのは、ここが狂うからです。

POINT 3
早く点けて困ることがない

燃料も電気も、気にする量ではありません。まぶしいと言われるのはハイビームの話で、通常の下向きなら早く点けて迷惑になることはない。迷ったら点けるで正解です。

いま多いのは球切れではなく「点いているのに暗い」

ここからは車の側の話です。店頭で見ていて、ここ数年ではっきり変わったことがあります。

💡 ヘッドライトの球切れは、減ってきました

LED化が進んだことが大きい。加えてヘッドライトは、灯火類のなかでは自分で気づきやすい部類です。前を照らしている光が片方消えれば運転していて分かるので、お客さんのほうから「片方切れたので替えて」と言ってこられることが多い。ここは心配の順位としては下がってきています。

代わりに増えているのが、こちらです。

レンズが黄ばんだ車、白く曇った車がとにかく多い。 給油中に前から見ると、すぐ分かります。実際にどれくらい暗いかはその車を運転してみないと分かりませんが、レンズが濁っていれば光が散るので、まっすぐ遠くへ届きません。球は切れていない。点いてもいる。それでも暗いという状態です。

厄介なのは、乗っている本人が気づきにくいこと。黄ばみは何年もかけて少しずつ進むので、暗さに目が慣れてしまいます。日が短くなる前に一度、正面から自分の車のライトを見てみてください。

磨いても明るさが戻らないなら、光そのものを替える手もあります

レンズを磨いても、もともとのバルブが古ければ明るさは戻りきりません。暗さが気になったまま冬に入るより、光源から替えてしまうほうが早い場合があります。車検の基準を大きく超える明るさを保つ国産LEDもあります。

【暗くならないLEDヘッドライトの日本ライティング】

夕方のヘッドライトの見え方3パターン。無灯火は背景に溶け、早めの点灯なら見つけてもらえ、黄ばんだレンズは光が散って遠くまで届かない

秋は、バッテリーも弱っています

もうひとつ、この季節に増える相談を挙げておきます。バッテリーです。

夏のあいだ、バッテリーは酷使されています。エアコンをつけっぱなしで走り、炎天下に置かれ、高い温度は内部の劣化を早めます。その疲れが出るのが秋から冬です。しかも日が短くなればライトを点ける時間が延び、消費する電気は増える一方。弱ったところに負担が重なる時期だと考えてください。

ワイパーとフロントガラスも、この時期に効いてきます。夕方の逆光や雨で前が見えなくなるのは、たいてい油膜とゴムの劣化が原因です。

よくある質問

Q1:車のヘッドライトはいつ点けるのが正解ですか?

A:日没の1時間前を目安にすると分かりやすいです。警察庁が薄暮時間帯と呼ぶのが日没の前後1時間で、この時間の死亡事故は11月が最多、もっとも少ない6月の3倍以上にのぼります。東京なら11月1日の日の入りが16時46分なので、15時45分ごろにはもう点けている計算です。時刻で決めるのが面倒なら、周りの車が点け始めたら自分も点けるで十分に間に合います。

Q2:オートライトが付いていれば任せきりで大丈夫ですか?

A:任せきりはおすすめしません。2020年4月以降の新型車では義務化されていますが、JAFのテストでは点灯タイミングにメーカー差が大きく、多くの車は日没の直前まで点きませんでした。センサーが反応する暗さと、事故が起きやすい薄暮の時間帯はずれています。周りが点け始めたら自分でも点ける、と覚えておくのが安全です。

Q3:夕方にライトを点けると、まぶしいと迷惑がられませんか?

A:下向き(すれ違い用)で点けているかぎり、迷惑になることはありません。まぶしさが問題になるのは上向き(走行用)の話です。対向車や前の車がいるときは下向きに戻す、という使い分けさえできていれば、早めの点灯にデメリットはありません。

Q4:薄暮の時間帯に事故が多いのはなぜですか?

A:明るさが急に変わり、目が追いつかないためです。歩行者や自転車が背景に溶けて見えにくくなる一方、運転する側は「まだ見えている」と感じています。薄暮の死亡事故は歩行者との衝突がもっとも多く、その約9割が横断中、うち約8割が横断歩道以外です。思わぬ場所から人が出てくる前提で走る時間帯といえます。

Q5:ヘッドライトが暗くなってきた気がします。何が原因ですか?

A:いちばん多いのはレンズの黄ばみや白い曇りです。表面が濁ると光が散り、遠くまで届かなくなります。球が切れていなくても暗くなるのはこのためです。黄ばみは何年もかけて進むので本人は気づきにくく、正面から見ると一目で分かります。磨いても再発するので、仕上げの保護までやるのが要点です。

まとめ:迷ったら早いほうに倒す

夏の感覚のまま秋を走るのが、いちばん危ない。18時という時刻は変わらないのに、外の明るさだけが2時間ぶん先へ進んでいきます。

テンチョー
テンチョー

点けて損することはひとつもない。ライトは自分のためじゃなく、外を歩いている人のために点ける。そう思えば、早めに手が伸びるはずだよ。

日が短くなる前のチェックリスト
  • 日没の1時間前を目安に点ける習慣にした
  • 自分の車のオートライトが、いつ点くか夕方に確かめた
  • 正面からヘッドライトを見て、黄ばみや白い曇りを確認した
  • ナンバー灯・尾灯・ブレーキ灯も点くか見てもらった
  • 夏を越えたバッテリーの状態を点検した
  • ワイパーゴムの劣化を確認した
  • フロントガラスの油膜を落とした
  • 雨の日の夕方は、いつもより早く点けると決めた

ライトは、いちばん安く手に入る安全装備です。スイッチをひとつ早く回すだけで、向こうから見えるようになる。今日の帰り道から始められます。

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