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スタッドレスタイヤは必要?雪が年に数回の地域でスタンド店長が一度も買っていない理由

保険・カーライフ
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10月の終わりごろから、店にスタッドレスタイヤの相談が増えます。国家資格整備士・保険募集人で、ガソリンスタンドに勤めて20年、店長になって15年。毎年この時期に必ず聞かれることを、売る側の立場から正直に書きます。相棒のノア(犬)・テト(猫)も一緒です。

ノア
ノア

そろそろスタッドレス、買わなあかんのかな。

テンチョー
テンチョー

毎年その質問をされるよ。先に言っておくと、私は一度も買ったことがない。20年以上車に乗っていて、一本もね。

結論:年に数回の雪なら、買わない選択があります

積もるのが年に一度あるかないかの地域なら、買わずに「降る日は乗らない」と決めるのもひとつの答えです。私自身がそうしています。

ただし、雪でも動かないといけない人は別。峠越えの通勤、天候に関係なく回る仕事、坂の多い住宅地。この条件に当てはまるなら、降る量とは無関係に必要です。

そして、買わないと決めるなら「乗らない」か「チェーンを積む」かを先に決めておく。ノーマルタイヤのまま雪道に出るのは違反です。

スタッドレスが要る人と要らない人の分かれ道。雪でも動く人(峠越えの通勤・天候に関係なく回る仕事)は要る、雪の日は休める人は要らない

私は20年以上、スタッドレスを買ったことがありません

うちの店がある地域は、一冬に数回は雪が降ります。ただ、積もるのは年に一度あるかないか。朝に白くなっていても、昼には消えているような土地です。

そこで20年以上車に乗ってきて、スタッドレスタイヤを買ったことは一度もありません。売る側の人間がこう書くのは妙かもしれません。それでも、自分が買っていないものを「必要です」とは書けない。

雪の予報が出た日は、車を出さない。やっているのはそれだけです。20年間、それで困ったことがありません。

それでも、店には毎年10台から20台が来ます

私が買わないからといって、誰にも要らないという話ではありません。シーズンに入ると、うちの店だけで10台から20台のスタッドレス交換をします。販売もしますが、よそで買ったタイヤを持ち込んでの交換のほうが多いです。

同じ町に住んでいて、同じ量の雪しか降らないのに、買う人と買わない人がはっきり分かれる。この差が何なのか。

テト
テト

同じ町なのに、なんで分かれるん?

テンチョー
テンチョー

その日、動かないといけないかどうかだよ。雪の日に家にいられる人と、どうしても出ないといけない人。違いはそこだけなんだ。

それでも要る人は、はっきりしています

毎年見ていると、買う人には共通点があります。表にしました。

こんな人判断理由
峠・山越えの通勤がある要るふもとに雪がなくても、峠は積もるし凍る。高さが200m違えば別の季節
天候に関係なく回る仕事要る「今日は休みます」が言えない。営業・配送・介護・医療など
坂の多い住宅地に住んでいる要る凍った坂は上がれないうえ、下りで止まれない。家に帰れなくなる
スキー・スノボ・雪国への帰省要る住んでいる場所ではなく、行き先が雪国
朝いちばんに出る通勤要る寄り放射冷却で、降っていなくても路面だけ凍っていることがある
通勤が平地で、雪の日は休める買わない選択も年に数回のために4本と保管場所を持つかの判断になる
週末しか乗らない・走行距離が短い買わない選択も降った日を避けやすい。ゴムは乗らなくても年数で硬くなる
💡 分かれ目は雪の量ではなく「その日休めるか」

要る・要らないを分けているのは、住んでいる場所の雪の量ではありません。雪の日に予定を動かせるかどうかです。同じ町内でも、峠を越えて通う人には要りますし、歩いて行ける職場の人には要らない。自分がどちらかを決めてから、値段を調べてください。

⚠️ 「四駆だから大丈夫」ではありません

四輪駆動が強いのは発進と登坂で、止まる性能を決めているのはタイヤです。ノーマルタイヤの四駆は、走り出せてしまうぶん、いざ止まれないときの速度が上がっていて危ない。四駆に乗っている人ほど、この勘違いをしています。

買わないと決めたなら、代わりに決めておくこと

「買わない」は、何もしないことではありません。降ったときにどうするかを、先に決めておく必要があります。

STEP 1
前日の予報で、翌日の予定を決める

雪は当日の朝に慌てても手が打てません。前の日の夜に「明日は出さない」「始発をずらす」まで決めてしまう。これがいちばん確実な滑り止めです。

STEP 2
それでも出るなら、チェーンを積んでおく

年に一度使うかどうかのために4本買うより、チェーンのほうが安く、置き場所もとりません。買ったら晴れた日に一度、実際に付ける練習をしておく。雪の路肩で説明書を読むのは、かなりつらい作業です。

STEP 3
出先で降られたときの逃げ道を決めておく

止まって待てる場所、車を置いて帰る手段、連絡先。無理に走らせるより、置いて帰るほうが安く済みます。

⚠️ ノーマルタイヤで雪道を走るのは違反です

積雪や凍結ですべるおそれのある道路では、チェーンを付けるなどの滑り止め措置が義務づけられています(道路交通法71条6号にもとづく、沖縄県を除く各都道府県の公安委員会規則)。

違反しても違反点数はつきませんが、反則金がかかります。普通車6,000円・大型車7,000円・原付5,000円。細かい決まりは都道府県ごとに違うので、出かける先の県の規則も見ておくと確実です。

ただ、反則金より重いのは事故と立ち往生のほうです。坂の途中で一台が止まると、その後ろが全部動けなくなります。自分だけの問題では終わりません。

持っているなら、今年も使えるかを先に見る

すでにスタッドレスを持っている人には、こちらが本題です。「これ、まだ使えますか?」は、この時期にいちばん多い質問です。

見るところは2つ。溝と、年数。順番に書きます。

溝は「スリップサイン」ではなく「プラットフォーム」で見る

目印出てくるタイミング意味するもの
プラットフォーム新品から50%すり減ったとき冬用タイヤとしての限界。夏用としてならまだ走れる
スリップサイン残り溝が1.6mmになったときタイヤそのものの限界。ここまで来ると車検も通らない

この2つを混同している人が、とても多い。プラットフォームという言葉を知っているお客さんは、体感で2割ほどです。「溝はまだ十分あるから大丈夫」と言われた車を見ると、プラットフォームはとっくに出ている。毎年あります。

💡 プラットフォームが出たら、冬用タイヤとして認められません

50%まですり減ったスタッドレスは、冬用タイヤとして扱われなくなります。つまり、滑り止め措置を講じたことにならない。溝が1.6mm以上あって車検は通る状態でも、雪道ではノーマルタイヤと同じ扱いになる地域があります。「まだ溝があるから」で冬を越そうとすると、ここで引っかかります。

溝が残っていても、硬くなっていたら効きません

スタッドレスが効くのは、低温でもゴムが柔らかいままだからです。年数が経つとそのゴムが硬くなり、溝が十分でも氷の上で止まらなくなります。

目安は使い始めてから3シーズン。そこを過ぎたら性能の低下を疑ってください。私が見ているのは3年から6年経ったものが多く、指で押して硬いと分かるタイヤも珍しくありません。溝の残りだけで判断すると、いちばん大事な部分を見落とします。

製造した年はタイヤの側面で分かります。4桁の数字が刻まれていて、はじめの2桁が製造した週、あとの2桁が西暦の下2桁。「2724」なら2024年の27週目、つまり2024年7月ごろの製造です。

手持ちのスタッドレスを見る2か所。溝は50%摩耗で出るプラットフォームで見る、年数はタイヤ側面の4桁の数字で見る

買うなら11月中に。初雪の直前では間に合いません

毎年決まって起きることがあります。ニュースで雪の予報が流れた日に、一斉に来るのです。前日まで静かだった店が、その日だけ電話が鳴りやまなくなる。

そして、どの店も同じ状況になっています。作業の枠は埋まり、タイヤも人気サイズから在庫が消える。「明日から雪らしいので今日換えたい」は、たいてい間に合いません

11月のうちに済ませておけば、待たずに換えられて、選べる銘柄も残っています。急いでいないときのほうが、値段もちゃんと比べられる。

🛞 買うと決めたなら、値段は比べてから

スタッドレスは4本まとめての買い物になるので、どこで買うかで金額の差がそのまま4倍になります。ネット通販で同じサイズの相場を見てから店に行くと、提示された値段が高いのか安いのか自分で判断できます。持ち込みでの交換を受けている店も多く、うちの店も持ち込みのほうが多いくらいです。

11月に入ると人気サイズから在庫が減ります。比べるなら早い時期のほうが選べます。

タイヤ通販オートウェイでサイズと価格を見る

履き替えたあとは、空気圧を見ておいてください。空気は冷えると縮むので、冬は放っておくと勝手に下がります。夏に合わせたままの状態で冬に入ると、たいてい不足しています。

自分で見るのが面倒なら、空気圧のモニターを付けてしまう手もあります。走りながら4本の数字が見えるので、下がったことにその場で気づけます。

もうひとつ。スタッドレスは夏タイヤより燃費が落ちます。ゴムが柔らかく、転がるときの抵抗が大きいためです。雪の季節が終わったら早めに戻すほうが、財布にはやさしい。

よくある質問

Q1:雪がほとんど降らない地域でも、スタッドレスタイヤは必要ですか?

A:雪の日に車を出さないと決められる人なら、なくても過ごせます。私自身、年に数回しか降らない地域で20年以上買っていません。逆に、峠越えの通勤・天候に関係なく動く仕事・坂の多い住宅地に住んでいる人は、降る量と関係なく必要です。判断の基準は雪の量ではなく、その日に休めるかどうかだと考えてください。

Q2:ノーマルタイヤで雪道を走ると違反になりますか?

A:違反になります。積雪や凍結ですべるおそれのある道路では、チェーンを付けるなどの滑り止め措置が義務づけられています(道路交通法71条6号にもとづく、沖縄県を除く各都道府県の公安委員会規則)。違反点数はつきませんが、反則金は普通車6,000円・大型車7,000円・原付5,000円です。規則の中身は都道府県ごとに違うので、遠出をするなら行き先の県のものも確認しておくと安心です。

Q3:スタッドレスタイヤの寿命は何年ですか?

A:溝が残っていても、使い始めて3シーズンを過ぎたあたりから性能の低下を疑うのが目安です。ゴムが硬くなると、氷の上での効きが落ちるためです。年数の感じ方はタイヤの置き場所(直射日光・気温)でも変わるので、何年と決めきらず、溝・年数・ゴムの硬さの3つで見てください。5年を超えたものは、溝より先にゴムを疑う番です。

Q4:プラットフォームとスリップサインは何が違うのですか?

A:まったく別のものです。プラットフォームは新品から50%すり減ると出てくる目印で、冬用タイヤとしての限界を示します。スリップサインは残り溝1.6mmで出てくる目印で、タイヤそのものの限界です。プラットフォームが出たスタッドレスは冬用タイヤとして認められなくなりますが、溝はまだ1.6mm以上あるので、夏用として使い切ることはできます。

Q5:オールシーズンタイヤなら、スタッドレスの代わりになりますか?

A:雪が積もる程度までなら走れます。側面にスノーフレークマーク(山に雪の結晶の絵)が付いていれば、冬用タイヤとして扱われます。ただ、凍った路面での止まりやすさはスタッドレスにかないません。年に数回の雪をしのぐ用途には向きますが、毎日の峠越えには力不足です。なお、大雪でチェーン規制がかかった区間では、スタッドレスでもオールシーズンでもチェーンが必要になります。

まとめ:買うかどうかより、先に決めておくこと

スタッドレスの記事は、たいてい「早く買え」で終わります。売る側にいる人間として書くなら、そこはもう少し正確でありたい。多くの人に必要なのは4本のタイヤではなく、降った日にどう動くかの決めごとです。

テンチョー
テンチョー

覚えて帰ってほしいのは2つ。要るかどうかは「その日休めるか」で決まる。持っているなら、溝はプラットフォームで見る。この2つだけで、今年の冬の判断はできるよ。

冬に入る前のチェックリスト
  • 雪の日に休めるか、動かないといけないかをはっきりさせた
  • 買わないと決めたなら、降る日は乗らないと家族にも伝えた
  • チェーンを積み、晴れた日に一度付ける練習をした
  • 手持ちのスタッドレスのプラットフォームが出ていないか見た
  • 側面の4桁の数字で製造した年を確認した
  • ゴムを指で押して、硬くなっていないか確かめた
  • 履き替えは11月中に予約した
  • 履き替えたあと、空気圧を測り直した

今年の冬、あなたに4本のタイヤが要るのか要らないのか。答えは雪の量ではなく、あなたの予定表のほうにあります。予報が出る前の、静かなうちに決めておいてください。

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