「ワイパーを最速にしても前が見えない…」そんな豪雨の中の運転、ヒヤッとした経験はありませんか?
ガソリンスタンド店長として20年、そして整備士として、豪雨の日のトラブルやヒヤリハットの話を数えきれないほど聞いてきました。実は雨の日の事故の多くは、「ついやってしまうNG行動」が引き金になっています。逆に言えば、やってはいけないことさえ知っていれば、豪雨のリスクは大きく減らせるということです。
この記事では、豪雨時の運転で絶対にやってはいけないことを、現場目線で具体的に解説します。梅雨・台風シーズンを安全に乗り切るために、運転する前にぜひ最後まで読んでおいてください。
豪雨で起きる「ハイドロプレーニング現象」を甘く見てはいけない
ハイドロプレーニング現象とは
豪雨時、路面に溜まった水の上をタイヤが滑り、ハンドルやブレーキが効かなくなる現象を「ハイドロプレーニング現象」といいます。結論から言うと、これが起きると車は一瞬で制御不能になります。スピードが出ているほど起きやすく、特に高速道路では非常に危険です。
やってはいけない①:スピードを出したまま走る
ハイドロプレーニングは速度が上がるほど起きやすくなります。豪雨時はいつもより大幅に速度を落とすのが鉄則です。「みんな飛ばしているから」と流れに合わせるのではなく、自分の安全のために減速してください。
やってはいけない②:すり減ったタイヤで走る
整備士として断言します。豪雨時の安全は、タイヤの溝と空気圧でほぼ決まります。溝が浅いタイヤは水を排出できず、ハイドロプレーニングが起きやすくなります。スリップサイン(溝の中の突起)が出ていたら即交換、空気圧も適正値を保ってください。
梅雨・台風シーズンに入る前に、タイヤの溝の深さと空気圧を必ずチェック。スタンドなら無料で見てもらえます。「まだ大丈夫」と思っているタイヤほど、豪雨で痛い目を見ます
タイヤの空気圧管理について詳しくは「タイヤ空気圧の正しい管理方法」もあわせてご覧ください。
冠水した道路で絶対にやってはいけないこと
やってはいけない③:冠水路・アンダーパスに突っ込む
これは一番やってはいけない行動です。冠水した道路、特にアンダーパス(線路や道路の下をくぐる低い道)には絶対に進入しないでください。水深がわずか30cmでもエンジンが停止し、車が動かなくなることがあります。さらに水深が増せば車ごと流される危険もあり、毎年、命にかかわる事故が起きています。
注意:「これくらいの水深なら行けるだろう」という自己判断が最も危険です。水の深さは見た目では分かりません。少しでも冠水していたら、Uターンか迂回を選んでください。車は買い直せますが、命は戻りません。
やってはいけない④:水没しかけた車のエンジンを再始動する
万が一、冠水路で車が止まってしまったら、エンジンを再始動しようとしないでください。エンジン内部に水が入った状態で始動すると、致命的な故障につながり修理費が跳ね上がります。安全を確保したうえで車から離れ、ロードサービスを呼びましょう。万が一水没してしまったときの保険金請求の流れは「大雨で車が水没したら?保険金請求の流れ」で詳しく解説しています。

「ちょっとくらいなら行ける」と冠水路に入って動けんようになる車、台風のたびに見るで。急いどっても、冠水路だけは絶対に引き返してな。
豪雨時の運転操作・装備のNG
やってはいけない⑤:急ハンドル・急ブレーキ・急加速
濡れた路面はスリップしやすく、「急」のつく操作はすべてスリップの引き金になります。ハンドルもブレーキもアクセルも、いつも以上にゆっくり・なめらかに。車間距離も晴天時の2倍を意識すると安心です。
やってはいけない⑥:ライトを点けずに走る
豪雨で薄暗いのにライトを点けない車をよく見かけますが、これはNG。ライトは「自分が見るため」だけでなく「相手に見てもらうため」のものです。昼間でも豪雨ならヘッドライトを点灯しましょう。なお、視界が悪いからとハザードを点けながら走るのは、ブレーキの合図と紛らわしく逆に危険なので避けてください。
やってはいけない⑦:劣化したワイパーのまま運転する
ビビり音がする・拭きムラが残るワイパーは、豪雨時に視界を確保できません。ゴムは半年〜1年で劣化します。シーズン前の交換がおすすめです。詳しくは「ワイパー交換時期・ウォッシャー液の知識」をどうぞ。
豪雨に備えて事前にやっておきたいこと
出発前に天気と進路を確認する
豪雨が予想される日は、出発前に雨雲レーダーや道路情報をチェックし、無理な外出は避けるのが一番の対策です。どうしても運転が必要なときは、冠水しやすい場所を避けたルートを選びましょう。
ガラスの撥水・曇り止め対策をしておく
フロントガラスの撥水コーティングや曇り止めをしておくと、豪雨時の視界が大きく改善します。梅雨の雨対策グッズについては「梅雨でも視界クリア!雨対策グッズ7選」でまとめています。
車内に備えておきたいもの
万が一の立ち往生に備えて、モバイルバッテリー・懐中電灯・飲料水・タオルなどを車に常備しておくと安心です。豪雨で渋滞にはまったときにも役立ちます。
よくある質問Q&A
Q1:ハイドロプレーニングが起きたらどうすればいい?
慌ててブレーキやハンドルを切るのは逆効果です。アクセルをそっと緩め、ハンドルをまっすぐ保ち、タイヤが路面を捉えるのを待ちます。日頃から速度を抑えて「起こさない」ことが最大の対策です。
Q2:豪雨時、高速道路は走っても大丈夫?
視界不良やハイドロプレーニングのリスクが高いので、速度を十分落とし、車間を広く取ってください。大雨で速度規制や通行止めが出ることもあります。無理せずSA・PAで雨が弱まるのを待つのも賢い判断です。
Q3:冠水路を通ってしまった後、車は点検した方がいい?
はい、必ず点検をおすすめします。マフラーやエンジンに水が入っている可能性があり、後から不具合が出ることがあります。少しでも浸水したら、整備工場やスタンドで早めに見てもらいましょう。
Q4:ワイパーを最速にしても見えないときは?
それは「これ以上は危険」という車からのサインです。無理に走り続けず、ハザードを点けて安全な場所(SA・PA・広い駐車場など)に停車し、雨が弱まるのを待ちましょう。路肩での停車は追突の危険があるため避けてください。
まとめ:豪雨運転のNGチェックリスト
最後に、豪雨時に絶対やってはいけないことをチェックリストにまとめます。運転前にもう一度確認してください。
- スピードを出したまま・すり減ったタイヤで走らない
- 冠水路・アンダーパスには絶対に進入しない
- 水没しかけた車のエンジンを再始動しない
- 急ハンドル・急ブレーキ・急加速をしない
- ライトを点ける・劣化したワイパーは事前に交換する
豪雨の運転は「やってはいけないこと」を避けるだけで、安全性が大きく変わります。梅雨・台風シーズン、焦らず・無理せず、安全運転で乗り切りましょう。




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