お盆の帰省や旅行で高速道路に乗るとき、「ガソリン、どこで入れておこうか」と迷ったことはありませんか。高速のスタンドは高いと聞くけれど、走っているうちに残量が減ってくると不安になる。私は毎日ガソリンの価格を決めている現役のスタンド店長です。この記事では高速のスタンドがなぜ高いのか・どこで入れるのが正解か・警告灯がついたら何km走れるのかまでを、現場の目線でお話しします。相棒のノア(犬)・テト(猫)も一緒です。

高速のスタンドって高いんやろ?ほな、ギリギリまで我慢したらええんちゃう?

それがいちばん危ない考え方なんだ。高速はスタンドがある場所が限られていて、100km以上ない区間もある。しかも高速でガス欠すると、実は交通違反になるんだよ。
まず結論|高速の給油はこう考える
① 基本は高速に乗る前、一般道で満タンにする。いちばん安く済みます。
② それでも残量が半分を切ったら、高速では「次のスタンドで入れる」。値段より安全が優先です。
③ 高速でのガス欠は交通違反(普通車で反則金9,000円・違反点数2点)。渋滞で燃費が落ちるお盆はとくに要注意。

高速道路のガソリンスタンドはなぜ高い?
結論から言えば、高速のスタンドは一般道より高いのが普通です。日によって差はありますが、リッターあたり10円以上違うことも珍しくありません。理由は主に3つあります。
- 近くに競合がいない/一般道のスタンドは、向かいの店の看板を見ながら1円単位で値段を決めています。高速はその競争がありません
- 24時間営業・人員体制のコストが高い/深夜も開けておく必要があり、その分が価格に乗ります
- 割引が効きにくい/会員価格やアプリのクーポンは、高速のスタンドでは使えないことが多いです
| 一般道のスタンド | 高速のスタンド | |
|---|---|---|
| 価格 | 店ごとに競争があり安い | 一般道より10円以上高いことも |
| 割引・クーポン | 会員価格・アプリが効く | 使えないことが多い |
| 営業時間 | 店による | 24時間が中心 |
| 店の数 | 多い。選べる | 限られる。選べない |
高速に乗る前、インターチェンジの周辺は通り道の車を狙って価格競争が起きやすい場所です。出発前に自宅近くで入れるより、ICの手前で満タンにするほうが安いこともあります。遠出の前は「満タンにしてから乗る」が基本と覚えておいてください。

SA・PAのすべてにスタンドがあるわけではない
ここがいちばん誤解されている点です。サービスエリアやパーキングエリアに、必ずガソリンスタンドがあるわけではありません。設置されているのは一部だけで、路線によっては100km以上スタンドがない区間もあります。高速道路会社もこうした区間を注意喚起しています。
しかも近年は、利用の少ないSA・PAのスタンドが閉鎖されたり、営業時間が短くなったりする例も出ています。「前に通ったときはあったから大丈夫」は通用しません。
高速道路会社の公式サイトやアプリ、カーナビの施設検索で、走る路線のどのSA・PAにスタンドがあるかは事前に分かります。長距離を走る日は、出発前の5分で確認しておくと安心です。ナビをスマホでお使いの方は、目的地までのルート上で「ガソリンスタンド」を検索しておくのも有効です。
燃料の警告灯がついてから、何km走れる?
よく聞かれる質問です。車種によって差はありますが、警告灯が点くのは残り5〜10リットル程度のことが多く、そこからの走行可能距離はおおよそ50〜100kmが目安になります。
ただし、これはあくまで平常時の話です。渋滞にはまってエアコンを使い続ければ、燃費は大きく落ちます。お盆の高速では、この「目安」が当てにならないと考えてください。
警告灯は「あと少し走れます」の合図ではなく、「次のスタンドで必ず入れてください」の合図です。高速では次のスタンドが50km先ということもあります。残量が半分を切った時点でSAを意識し、警告灯が点いたら値段に関係なく入れる。これが安全側の判断です。

高速道路でガス欠したらどうなる?
あまり知られていませんが、高速道路でのガス欠は交通違反です。燃料切れで本線上に停止させてしまうと、道路交通法の「自動車の運転者の遵守事項」違反にあたり、普通車で反則金9,000円・違反点数2点が科されます。
ただし、渋滞に巻き込まれて次のSAまでたどりつけなかったなど、やむを得ない事情が認められる場合は違反とされないこともあるとされています。とはいえ、罰則があるということ以上に、高速の本線上で止まること自体が非常に危険です。

エンジンが止まりかけたら、惰性が残っているうちに左の路肩へ。少しでも本線から離すことが最優先です。
高速道路では停止表示板の設置が義務です。車の後方に置き、発炎筒も併用します。置きに行くときは必ず後続車を確認してから。
ここがいちばん大事です。止まっている車の中にいるのが、高速ではいちばん危険です。同乗者を含め全員、ガードレールの外側に移動してください。
道路緊急ダイヤル#9910(24時間・無料)か、非常電話で状況を伝えます。あわせて加入している保険のロードサービスやJAFへ連絡すれば、燃料の補給に対応してもらえる場合があります(燃料代は実費のことが多いです)。

ちなみに「携行缶を積んでおけば安心では?」と聞かれることがありますが、おすすめしません。ガソリンは高温に弱く、真夏の車内に積んでおくのは危険が大きすぎます。セルフのスタンドでは携行缶への給油そのものが法律で禁止されています。備えるなら携行缶ではなく、ロードサービスの連絡先をスマホに入れておくほうが確実です。
ガス欠・パンク・バッテリー上がりは、多くの自動車保険にロードサービスとして付帯しています。JAFに入っていなくても使えることが多いのですが、意外と知られていません。年に一度の見直しのタイミングで、自分の保険にどこまで付いているかを確認しておくと安心です。
お盆の渋滞で燃費はどれくらい落ちる?
渋滞は燃費にとって最悪の条件です。止まっては動くの繰り返しに、エアコンの使用が重なると、平常時より2〜3割落ちることも珍しくありません。「いつもならこの残量で家まで帰れる」という感覚が、お盆には通用しないということです。
渋滞にはまってから慌てないために、次の3つだけ意識してください。
- 出発前に満タンにする(一般道のほうが安い)
- 残り半分でSAを意識する。混雑期はスタンドも並びます
- 渋滞情報を見て、早めに休憩と給油をまとめて済ませる

よくある質問
Q1. 高速のスタンドはセルフ?フルサービス?
以前はスタッフが給油するフルサービスが中心でしたが、最近はセルフの店も増えています。セルフの手順に不安がある方は、こちらを読んでおくと落ち着いて操作できます。

Q2. 支払い方法は一般道と同じ?
クレジットカードや電子マネーは基本的に使えます。ただしスタンド独自の会員価格やアプリのクーポンは、高速では対象外のことが多いです。「いつも使っている割引が効かない」と思っておいたほうがいいでしょう。
Q3. 高速を降りて給油して、また乗り直すのはあり?
一度降りると料金が区切られて割高になることが多いので、数円の差のために降りるのは基本的に損です。ただし残量が心もとないのに次のスタンドが遠い、という場面では、迷わず降りてください。安全と数百円なら、安全を取るべきです。
Q4. 電気自動車の場合はどうすればいい?
考え方は同じで、「充電器のあるSA・PAを事前に把握しておく」ことに尽きます。むしろ充電のほうが1台あたりの時間が長く、混雑期は待ちが発生します。電欠もガス欠と同じく違反の対象になりますので、余裕をもった計画を立ててください。
- 一般道(ICの手前)で満タンにしたか
- 走る路線のどのSA・PAにスタンドがあるか調べたか
- 100km以上スタンドがない区間を通らないか確認したか
- 残量が半分を切ったら給油する、と決めているか
- 停止表示板と発炎筒が車に載っているか
- 加入している保険のロードサービスの連絡先をスマホに入れたか
- 渋滞時は燃費が2〜3割落ちると織り込んでいるか
まとめ|「安いところで満タン、高速では早めに」
高速のガソリンが高いのは事実です。だからこそ安いのは高速に乗る前、そして高速では値段より安全を優先する。この使い分けがいちばん賢い方法です。
スタンドの数が限られていること、警告灯からの距離が渋滞では当てにならないこと、そしてガス欠が違反になること。この3つを知っているだけで、お盆の帰省はずいぶん気楽になります。

ケチって止まったら、9,000円と2点やもんな。乗る前に満タン、覚えたわ。

そういうこと。給油はケチるところじゃない。安くしたいなら、乗る前の一般道でしっかり満タンにしておこう。気をつけて行ってらっしゃい。

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