「AirTagの第2世代が出たけど、初代と何が違うの?買い替える必要ある?」──そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
2026年1月、AirTagが約5年ぶりに新しくなり、第2世代が発表されました。SNSやガジェットメディアでは「進化がすごい」という声がある一方、「正直そこまで変わらないのでは?」という冷静な意見もあります。特に車の盗難対策として使っている方にとっては、「本当に効果が上がるのか」が気になるところですよね。
私はガソリンスタンドの店長を15年務めながら、国家資格整備士・保険募集人・ファイナンシャルプランナーとして、お客様の車と暮らしに関わるご相談を日々受けています。私自身が使っているのは初代(第1世代)のAirTagです。第2世代は持っていないので、違いはAppleの公式情報をもとに整理し、初代を使ってきた立場から判断の目安をお伝えします。
初代と第2世代の違いを、買い替えるべき人・まだ不要な人に分けてお伝えします。日本で使ううえでの注意点も含めて、読み終えたときに自分がどちらかを判断できる形にしました。
AirTag初代 vs 第2世代|スペック比較表で違いを一目確認
まずは初代と第2世代の違いを、Appleが公表している内容で並べます。
| 項目 | AirTag初代 | AirTag第2世代 |
|---|---|---|
| 登場 | 2021年4月 | 2026年1月(発表) |
| 超広帯域チップ | 第1世代 | 第2世代 |
| 「正確な場所を見つける」の距離 | ― | 最大50%遠くから(※日本では使えない) |
| スピーカー | ― | 50%大きな音 |
| 電池 | CR2032(1年以上) | CR2032(1年以上) |
| 価格(1個・税込) | ― | 4,980円 |
表を見ると、電池は変わっていません。変わったのはチップ・スピーカー音量・Bluetoothの3つです。そして、いちばん大きな進化である「正確な場所を見つける」の距離は、日本では規制のため使えません。ここから順に見ていきます。
新しいチップで変わったこと
日本では使えない「正確な場所を見つける」の拡大
第2世代には、Appleが設計した第2世代の超広帯域チップが入っています。Appleによると、iPhoneの「正確な場所を見つける」で、前の世代より最大50%遠くから方向と距離を案内できるようになりました。
一方でAppleは、「規制により、日本では拡大した範囲は利用できない」と書いています。海外で使えるのも、iPhone Air、またはiPhone 15以降(iPhone 16eを除く)と組み合わせた場合だけです。日本で使う限り、この進化の恩恵は受けられません。
Bluetoothで見つかる範囲は広がった
もうひとつの変化はBluetoothです。Appleは「アップグレードしたBluetoothチップによって、持ち物が見つかる範囲が拡大した」としています。こちらは日本でも関係する進化ですが、どれだけ広がったかの数字は公表されていません。
日本で使う場合、目に見える違いは「Bluetoothの範囲」と、次に紹介するスピーカーの音量です。「AirTagを買い替えれば探しやすさが大きく変わる」とまでは言えない、というのが私の見方です。
スピーカー音量50%アップの中身
地味なようで、実用面ではいちばんありがたい改善がこれです。私は初代を使っていますが、音は小さく、カバンの中などでは聞こえにくいと感じています。
Appleによると、第2世代は前の世代より50%大きな音が出せるようになり、音が2倍の距離まで届くとされています。初代の音の小ささに不満がある方には、分かりやすい進化です。
とはいえ、車の中に入れて外から探すような使い方で、どこまで聞こえるかは分かりません。Appleの数字は、あくまで前の世代との比較です。
車の盗難対策としてAirTagは使えるのか|現場の本音
AirTagは「追跡補助ツール」であって「防犯装置」ではない
先にはっきり言っておくと、AirTagだけで車の盗難を防ぐことはできません。
AirTagはリアルタイムGPSではなく、近くのAppleデバイスを経由して位置情報を中継する「探す」ネットワークに依存しています。つまり、周囲にiPhoneユーザーがいない山間部やコンテナ内では位置情報が更新されません。
それでも「入れておくべき」理由
とはいえ、保険募集人の立場から言わせてください。盗難後の車両発見率を上げるツールとしては、コストパフォーマンスが圧倒的に優れています。月額料金なし、電池交換は年1回、本体は1個4,980円(Apple公式)。月額料金がかかるGPS追跡機器が多い中で、この手軽さは大きな強みです。
置くなら外から見えない場所
車に入れるなら、置き場所の考え方はひとつで、車を盗む側から見つからないことです。ダッシュボードの上やドアポケットのように、乗り込んですぐ目に入る場所では意味がありません。シート下、トランクの内張りの奥、スペアタイヤの収納など、外から見えない場所を選んでください。電池は1年以上持つとされていますが、私は初代の電池を1年に1回くらい替えています。
20年車を預かってきて、AirTagを見つけたことは一度もない
給油や洗車、点検で毎日たくさんの車をお預かりします。シートを倒すことも、トランクを開けることも、下回りを覗くこともある。それでも、AirTagが付いている車に出会った記憶がありません。
理由は2つ考えられます。ひとつは、そもそも車に付けている人がまだ少ないこと。もうひとつは、付けている人がきちんと隠していること。どちらなのかは私には分かりません。
ただ、どちらであっても言えることがあります。毎日車を触っている人間が気づかない場所。それが、AirTagの正しい置き場所です。自分で「よく見えるな」と思う場所は、盗む側からも見えています。
日本でAirTagを使ううえでの注意点3つ
1. ストーキング対策の強化は「加害者側にも影響する」
AirTagには、他人のAirTagが自分と一緒に移動していると通知する仕組みがあります。これは被害者を守る大切な機能ですが、裏を返せば正当な用途でも「不明なAirTagが検出されました」と通知される場面があるということです。
例えば、家族の荷物に入れたAirTagが家族のiPhoneで「不明なアクセサリ」として検出されるケースがあります。家族で使うなら、共有設定を先に済ませておくのが安全です。
2. CR2032電池の「苦味コーティング」問題
Appleは、子どもの誤飲を防ぐ苦味剤のコーティングが付いた電池で、パッケージに「Compatible with Apple AirTag(AirTag対応)」と書かれたものをすすめています。一方で、苦味コーティング付きの電池の一部はAirTagで使えないことがあるとも注意しています。電池を買うときは、パッケージの表示を確認してください。
3. 日本の「探す」ネットワーク密度は都市部と地方で差が大きい
都市部ではiPhoneを持つ人が多いので、AirTagの位置情報はこまめに更新されます。しかし地方の山間部や人口の少ないエリアでは、長い時間、位置が更新されないこともあります。
これは「探す」ネットワークの仕組み上そうなるという話で、私が地域ごとに時間を測ったわけではありません。地方にお住まいなら、GPSトラッカーとの併用も検討の余地があります。
結局、買い替えるべき?|3パターンで判定
私の結論をはっきりお伝えします。
- 新規購入の方 → 迷わず第2世代を買ってください(◎)。スピーカーの音量とBluetoothの範囲が良くなっています。
- 初代を持っていてiPhone 15以降を使っている方 → 急ぐ必要なし(△)。いちばん大きな進化の「正確な場所を見つける」の拡大は、日本では使えません。音の小ささに不満があるなら検討の価値ありです。
- 初代を持っていてiPhone 14以前を使っている方 → 急ぐ必要なし(△)。スピーカー音量の改善は魅力ですが、ほかの違いは小さめです。iPhoneを買い替えるタイミングで一緒に検討すれば十分です。
よくある質問(AirTag・エアタグ)
Q1: エアタグ(AirTag)は相手にバレる?
結論から言うと、バレる可能性はあります。iPhoneユーザーの場合、自分のものではないAirTagが近くにあると約1〜3日で「あなたと一緒に移動しているAirTagが見つかりました」というアラート通知が届きます。Androidユーザーでも、Appleが提供する「トラッカー検出」アプリをインストールしていれば、不明なAirTagを検知することが可能です。
さらに、AppleとGoogleが共同でまとめた「不要なトラッキング」の通知の仕組みにより、Android端末でも、知らないトラッカーが一緒に移動していると通知が届くようになっています。つまり、ストーキング目的での使用はほぼ確実に発覚します。
整備士としての本音を言わせてください。盗難も車上荒らしも、被害に遭ったあとでは本当に遅いんです。AirTagは「犯罪抑止」と「発見率の向上」のために使うものであり、通知が飛ぶ仕組みがあるからこそ、正当な使い方で安心して活用できるわけです。
📌 ポイント
「バレる=悪いこと」ではありません。むしろ、バレてもつける価値があるのがAirTagです。盗難された車両の位置特定や、家族の安全確認など、正当な目的で使う限り「通知が飛ぶ仕組み」は安心材料になります。自分の大切な財産を守るために堂々とつけましょう。
Q2: 夏の車内温度でエアタグ(AirTag)は壊れない?
Apple公式の仕様によると、AirTagの動作温度範囲は-20℃〜60℃です。日常的な環境であれば問題なく使用できますが、夏場の車内は話が別です。
日本自動車連盟(JAF)の実験データによると、真夏の炎天下(気温35℃)に駐車した車のダッシュボードは、最高79℃に達しました(2012年8月の実験)。この温度はAirTagの動作保証範囲を大きく上回っており、内蔵バッテリーの劣化や本体の変形・故障につながるリスクがあります。
夏の車内の暑さは、電子機器にとって厳しい環境です。実際、私のドラレコも、弟のドラレコも壊れています。車に置いたAirTagも、同じ環境にさらされることになります。
⚠️ 注意
AirTagを車内に設置する場合は、直射日光が当たらない場所を選んでください。おすすめはグローブボックス内、トランク内、シート下など日光が直接届かないポイントです。ダッシュボード上やフロントガラス付近への設置は絶対に避けましょう。高温環境での長期使用はバッテリー寿命の短縮にもつながります。
Q3: エアタグと「エアタグ」(カタカナ)は同じもの?
はい、まったく同じ製品です。英語の正式表記は「AirTag」で、カタカナでは「エアタグ」と表記されます。Appleの日本語公式サイトでも「AirTag」と英語表記が使われていますが、日本のユーザーが検索する際には「エアタグ」とカタカナで入力するケースも非常に多いです。
実際にGoogleの検索データを見ると、「AirTag」と「エアタグ」の両方で大量の検索が行われています。また、「エアータグ」と長音を入れて検索する方もいらっしゃいます。表記は異なりますが、すべてAppleが製造・販売する同一の紛失防止トラッカーのことです。
当記事でも「AirTag」と「エアタグ」を併記しているのは、どちらの表記で検索された方にも正確な情報をお届けするためです。商品を購入する際は、Apple公式サイトやAmazon・家電量販店で「AirTag」と検索すれば確実にたどり着けます。
Q4: AirTagのバッテリー交換は難しい?
まったく難しくありません。工具は要らず、ステンレスの面を押しながら回してフタを外し、CR2032の電池を入れ替えるだけです。電池の選び方と手順は、AirTagの電池交換の記事で解説しています。
まとめ|AirTag第2世代で押さえるべきポイント
最後に、この記事の要点をチェックリストで整理します。
- ✅ 新しいチップで「正確な場所を見つける」は最大50%遠くから。ただし日本では使えない
- ✅ スピーカー音量50%アップは日常の探し物に実用的
- ✅ 車の盗難対策には有効だが「追跡補助」であり「防犯装置」ではない
- ✅ 電池はCR2032。苦味コーティング付きは「AirTag対応」の表示を確認
- ✅ 地方では「探す」ネットワークの密度に注意。GPS併用も検討
- ✅ 新規購入なら第2世代。初代ユーザーは急いで買い替えなくてよい
- ✅ 家族の荷物に入れる場合はストーキング通知対策として共有設定を忘れずに
AirTagは手軽に始められる「安心の保険」のようなデバイスです。月額料金なし、設定は数タップ、電池交換は年1回。まだ使っていない方は、まず1つ試してみてください。そして車の盗難リスクが気になる方は、AirTagと合わせて車両保険の見直しも検討することを、保険募集人として強くおすすめします。
愛車を守るハードウェアを新調したなら、保険の補償内容も同時に見直すのがベストです。補償内容が今の使い方に合っているか、一度確認してみてください。






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